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最先端の日本酒と料理のペアリング
※20歳未満の者への酒類の販売はいたしておりません。
日本酒はこれまで、人々の食生活や社会のニーズに合わせて、香りや味わいを変化させながら発達してきました。今となっては多くの種類が日本酒にはあります。時代を遡ると、過去には様々なブームが変遷する中で日本酒は長い歴史を歩んできたため、ここではその移り変わりを現代に着目してまとめてみました。
日本人全体の所得の伸びにより、家庭でビールを飲む層が拡大し、飲んだことがない人にも様々な酒が行き届くように。
ニッカを代表するブレンデッドウイスキー、ブラックニッカ。現在の王様のラベルに描かれているのは「ブレンドの王様(キング・オブ・ブレンダーズ)」と呼ばれた英国人 W・P・ローリー氏。
戦後、昭和中期に起こった高度経済成長の波は、都市部に男性の働き手を集めました。昼間は猛烈に働いて、夜は同僚と飲みに行くという飲酒習慣がこの頃から定着し始めました。これに相まって、スナック業界も全盛期を迎えます。ウイスキーの水割りやハイボールが浸透し、フランス産の高級ブランデーなどが贅沢品として注目され始めました。
この頃の日本酒事情はというと、特級、一級、二級の三区分のうち、安く酔える二級酒が多くのサラリーマンの支持を集めており、大手酒造で造られた特級の日本酒は憧れの対象でした。この頃台頭したお酒には、「月桂冠」「黄桜」「大関」「菊正宗」などがあります。
昭和後期になると、ふるさと創生のための事業が推進されたり、地方への個人旅行客を増やすための各種キャンペーンなどによって地方活性化の動きが起こりました。それに伴い、全国各地の日本酒が「地酒(じざけ)」と呼ばれ話題化し、全国的な日本酒の消費量が拡大しました。また、居酒屋が生ビールサーバーを導入したことによってビール人気が右肩上がりとなりましたが、それに比例するように日本酒も淡麗辛口タイプが好まれました。例えば「越乃寒梅」「峰乃白梅」「雪中梅」などが挙げられます。
また、高度成長によって一般家庭の経済的余裕が生まれ始め、欧米風の食生活が広く取り入れられるようになりました。食以外にもファッションや洋画など、あらゆるライフスタイルの欧米化が進む中で、日本酒のテイストも洋風志向の風が吹き、フルーティな香りが特徴的な「吟醸酒」がこの頃から脚光を浴び始めます。「出羽桜」や「開運」「天狗舞」が代表例です。吟醸酒をつくる技術はすでに出来上がっていましたが、消費者の嗜好やニーズがマッチしたことによって堰を切ったように流通し始めました。
平成初期、バブル期が到来すると、大衆の食生活も贅沢志向になります。外食が日常化し、「料理の鉄人」などのグルメ番組が次々と放送開始され、高級フレンチ料理にフランス産のワインを合わせて嗜むことが社会的なステータスとされていました。このトレンドに伴い、日本酒もさらに贅沢な製法を用いた「大吟醸酒」が台頭します。原料のお米を大胆に半分以上の割合削ぎ落として使用し、華やかな香りを醸し出す大吟醸酒はこれまでの日本酒のイメージを変えました。主に「久保田萬寿」「磯自慢」「黒龍」などが該当します。
バブルが崩壊した途端、これまでの高級志向が嘘だったかのように大衆の財布の紐は固くなり、日本酒以外でもほとんどのジャンルで消費活動が低迷します。
一方、安く楽しめるお酒へのニーズが高まり、発泡酒やビール、チューハイなどの需要が拡大し、流通も増えました。ところが昭和後期から拡大していた欧米化の影響により、大衆は和食よりも洋食を食べる傾向に転じており、日本酒で晩酌する機会も減少の一途をたどっていました。安くたくさん製造できる他の酒類に押し負けて、日本酒は下火となります。
しかし、この頃もなお日本酒業界では、競合の酒類に対抗するために従来の伝統的な製法を見直し、検討することによって「日本酒らしさ」を見つめ直すようになりました。新商品の開発にも地道に力を入れ続けたことで、後の日本酒ブーム再燃の着火剤に繋がることになります。
北米での健康意識の上昇から、日本の伝統文化である和食が注目され、アメリカでは日本酒の輸出量が世界一位に。
日本酒の人気は今や世界規模。スタンダードな世界的飲料になるのも、夢ではない。
平成中期になると、デジタル化の波が世界を席巻し、それに伴って大衆のライフスタイルも多様化を深めていきます。その中でも、世界各国でヘルシー志向の生活様式に関心が高まることによって、ヘルシーな日本食を取り扱うレストランが急増することになります。これによって日本酒も海外で嗜まれる機会が増え、需要が拡大していきます。日本酒の輸出はこの頃から本格化し、海外市場に活路を拓くことになりました。
平成後期以降は、いうまでもなくSNS全盛期の時代。TwitterやInstagramなど様々なSNSが台頭し、大衆のライフスタイルそのものがエンタメ化されていきます。この時期は消費者の消費スタイルとして「コト消費」という概念が叫ばれ、女子会が流行して女性の飲酒機会が増えたり、食に関するイベントやフェスティバルなども増えていきました。
また、和食が世界無形文化遺産に登録され、国内外で日本食が再注目されるようにもなりました。
この流れに乗って、日本酒も息を吹き返します。バブル崩壊以降の「見つめ直し」期間を経て積み重ねられた努力が花を咲かせ、多種多様な次世代型ともいえる日本酒が登場し、話題化しました。「無濾過生原酒」「瓶火入れ」「瓶囲い」などのフルーティでジューシーな日本酒も然り、スパークリング日本酒や日本酒カクテル、そして夏酒と呼ばれる季節限定酒なども然り、これらは当時から新商品開発のために積み重ねられた努力の賜物ともいえます。また、体験型消費のニーズに応えるべく、多くの若手イベンターが日本酒を絡めた各種イベントを企画するなど、日本酒復権の風が吹き始めています。
さて、ここまで日本酒を取り巻くトレンドの変遷をたどってきました。いかがでしたでしょうか。デジタル化とグローバル化が相まって、ますます目まぐるしく変化するようになった現代社会ですが、これからも時代のニーズに合わせて日本酒業界でも様々な創意工夫が生まれることでしょう。バラエティに富んだ業界の取り組みにこれからも注目していきましょう。