甘口で飲みやすさバツグン!スパークリング日本酒とは?
お酒で「スパークリング」と聞くとワインを真っ先に想起される方も少なくないのではないでしょうか。実は日本酒にも「スパークリング日本酒」というジャンルがあり、近年人気が高まってきています。甘口で飲みやすいのが特徴のため日本酒ビギナーにも支持が厚い、スパークリング日本酒について今回は解説していきます。
スパークリング日本酒とは


日本酒の中でも、炭酸ガスを含んだものをスパークリング日本酒といいます。発泡日本酒や発泡清酒と呼ばれる場合もあります。一般的な日本酒よりもアルコール度数が低く、甘口でフルーティーなものが多いのが特徴です。日本酒を飲みなれていない人にも飲みやすくできているため、主に女性層や日本酒をあまり飲んだことのないビギナー層に人気を博しています。
なお、搾りたての新鮮な生酒にもほのかな炭酸を感じる場合がありますが、これは敢えてフレッシュさを強調したものなので、「スパークリング日本酒」には入りません。
製法別でみるスパークリング日本酒の特徴
スパークリング日本酒は様々な製法によって造られており、その製法の違いによってタイプが分かれますが、ここでは主に3つのタイプを紹介します。
活性にごりタイプ
原料である米、米麹、水の発酵力を生かして、自然の力で炭酸ガスを生み出す製法です。発酵しているお酒をあらく濾過するため、お酒の色が濁っており、口当たりはクリーミーになるのが特徴です。火入れ(加熱処理)を敢えてせず、菌を生かしたまま瓶詰めするため、瓶詰め後も弱い発酵が進み続けます。発泡力が強くなるため、栓に穴を開けて空気が抜ける状態になっている場合もあります。
瓶内二次発酵タイプ
発酵を終えて搾ったばかりのお酒に、活性化した状態の酵母を後から加えて、瓶内でさらに二次発酵させることで炭酸ガスを生む製法です。活性にごりタイプと同様、火入れ(加熱処理)を行わず、生の状態で瓶詰めされます。シャンパンに似た製法であることから、スパークリング日本酒は「和製シャンパン」と呼ばれることもあります。
炭酸ガス注入タイプ
この製法では、発酵過程で生まれる天然の炭酸ガスを利用せず、一般的な日本酒として完成したお酒に、後から炭酸ガスを人工的に注入して発泡を演出します。注入する炭酸ガスの量によりますが、発泡が強めな銘柄が多く、キレのあるすっきりとした味わいになるのが特徴です。
スパークリング日本酒のおいしい飲み方


一般的な日本酒と同様、スパークリング日本酒にも様々な飲み方があります。
ロック
最も手軽に、スパークリング日本酒本来の風味を味わえます。のどごしがより良くなるのに加えて、氷がゆっくりと溶けていくにつれてアルコール度数も下がるため、お酒があまり得意ではないひとや日本酒ビギナーにもおすすめの飲み方です。
ソーダ割り
ソーダを入れることで炭酸が増し、爽快感をより強く感じることができます。日本酒ならではの甘味も損なうことなく楽しめますが、甘味も増したい場合は果汁や糖分の含まれたソーダで割ってみると良いです。
フルーツを入れて飲む
好みのフルーツを入れて飲むと、日本酒独特の甘味とフルーツの甘味が合わさり、おいしく飲むことができます。そのまま入れるも良し、ミキサーで細かくして入れるも良し、氷代わりに凍らせて入れるのも良いでしょう。レモンとの相性が特に良く、搾って入れると香りが引き立ち、爽やかな味わいになります
スパークリング日本酒をおいしく飲むための保管方法
多くのスパークリング日本酒は生酒のため、基本的には冷蔵保管を推奨します。炭酸ガス注入タイプの場合は常温保存できますが、直射日光の当たらない、なるべく低温を保てる場所に保管しましょう。紫外線や日光に弱いため、ボトルを新聞紙などでくるんで冷暗所に保管することをおすすめします。
開封後は、お酒が空気に触れて本来の風味を維持しにくくなってしまうのと、炭酸も時間経過とともに抜けてしまうため、できるだけ当日中に飲み切ることをおすすめします。何日かに分けて飲みたい場合は、栓をしっかりと締めた上でなるべく瓶を揺らしたり衝撃を与えないように、冷蔵保存しておくことで数日の間は本来の味わいに近い状態を保つことができます。
また、賞味期限については一般的な日本酒と同様記載されていないことが多いですが、目安としては一般的な生酒(火入れしていない日本酒)と同様、未開封の状態で製造年月日から起算して約半年程度と認識しておけばおおむね間違いないです。ちなみに炭酸ガス注入タイプの場合は日持ちするため、300日を目安としておきましょう。
スパークリング日本酒をおいしく飲める酒器


お酒によって最適な酒器は変わってきますが、スパークリング日本酒の場合はなんといってもシュワシュワした泡をみて楽しんだり、すっきり爽快なのどごしを楽しむ飲み方に向いたグラスが最もおすすめです。グラスの中でも、胴体がスリムな縦長のデザインになっているものが良いです。その方が、シャンパンやスパークリングワインと同じように底から立ち上がる細かい気泡を楽しめますし、お酒が空気に触れる面積が少ないため、日本酒本来の繊細な味や香りも維持できます。
スパークリング日本酒に合うおつまみ


スパークリング日本酒はクセが少ないため、どんなおつまみも合わせやすいのですが、特に合わせやすいのはあっさりした料理か、甘いお菓子やスイーツなどです。例えば魚料理でいえば、お刺身やマリネが挙げられますし、スイーツ系でいえばケーキやチョコレート、マロン系のものも合わせやすいです。チーズや生ハム、カルパッチョなど、普段はシャンパンに合わせているおつまみがあればそれを合わせてみるのも良いでしょう。
以上、スパークリング日本酒について解説しました。いかがでしたでしょうか。アルコール度数が比較的低く、のどごしがすっきりして飲みやすい日本酒ですので、カジュアルに飲みたいときにぴったりだと思います。おつまみや割り方などによっても広がりが楽しめる日本酒なので、いろんな組み合わせを試してみると良いでしょう。